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夏になると・・・(1:48)
夏になると田舎のおばあちゃんちによく行っていた。
草原の風がやさしくて野山を駆け回り汗だくで家に帰ると
いつも甘ずっぱいジュースを出してくれた。
後で、それがプロポリスだと知った。
私は少し変わった子と学校でみられていた。
集団行動が苦手でいつも一人浮いていた。
みんなと同じじゃなくてもいいの。
あなたは、あなたのままでいいの。
おばあちゃんはいつもそういって私をはげましてくれた。

そして、ブラジルのミツバチの話をしてくれた。

(作:結城直矢)


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この物語は1950年代に実際に起きたブラジルでの西洋ミツバチの絶滅の話に基づいたファンタジーであり、
登場する人物は実在の人物とは関係ありません。
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No1. 風変りな蜂(2:32)
その蜂はマントのような布を羽織っていました。
マントというとひらひらと風になびくようなものを想像するかもしれませんが、
彼の場合は少し不格好に体に巻きつけていました。
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No2. ソルスの誕生(2:45)
ソルスが研究所を旅立って、1週間ほどが経ちました。
「あの子は元気でいるかしら・・・」
月あかりの夜空を見上げながらイザベル博士はため息をもらしていました。
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No3. オス蜂の宿命(4:19)
オス蜂は女王蜂との交尾だけが仕事なんだ。
交尾したら必ず死ぬ。悲しいけど、それがオス蜂の運命なんだ・・・
それを聞いてソルスは唖然としました。
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No4. 死の覚悟(5:21)
ソルスは、昼も夜も妖精のフロリと一緒に過ごしました。
月明かりの草原でフロリと戯れながら、このまま普通の蜂でいたい、
特別な蜂でなくてもいいと思いました。
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No5. 伝説の蜂(3:21)
あの日、女王蜂は空高く舞い上り、その背後を、数十匹のオス蜂たちが追従し、
空気を切り裂くような羽音が響き渡りました。女王蜂をめぐるオス蜂との戦い。
それはソルスの最期の戦い、死の儀式でした。
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No6. ソルスの幻影(4:16)
蜂たちは、互いの敵意を捨てきれませんでした。アフリカ化ミツバチは、
西洋ミツバチを弱者の群れだ、と叫び、西洋ミツバチは、
アフリカ化ミツバチは侵略者だ、と憎悪を燃やしました。
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No7. 戦いの果てに(4:20)
軍隊アリは蜂たちの防御をものともせず、草原は黒い絨毯と化していきました。
アレグロは必死に羽を震わせ、仲間をふるい立たせました。
「みんな踏んばるんだ。ここで退いたら終わりだ」
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No8. - 最終章 - 黄金の泉(6:21)
アリたちは仲間を「敵」と間違え、顎を突き立て、
一瞬にして地面は黒い群れ同士が絡み合う修羅場へと変わっていきました。
アリたちの触角はもぎ取られ、足はちぎれ、赤黒い体液が地面に滴りました。